画像はそこをなんとか | 白泉社よりお借りしました。
弁護士。
弁護士さんって、なんとなくどことなく、かっこよさげな憧れがありますよね。というか、想像がつかない世界過ぎて、ドラマのようなイメージしかないというか。
いつでもパリッとしたスーツに身を包み、きらっと輝く弁護士バッジ。弱きを助け強きを挫く、法の世界のスペシャリスト。
さぞかしお稼ぎになってるんだろうなあ!
なんて、ゲスい考えがよぎるのは、私だけじゃないはず。
今日はそんな弁護士像とはさっぱり真逆。
新米弁護士さんの奮闘ぶりが微笑ましい、そんな漫画を紹介します。
『そこをなんとか』とはどんな漫画?
そんな漫画とは、『そこをなんとか』という漫画です。
『そこをなんとか』とは、2007年6月からMELODYで連載されていた漫画です。2018年10月に完結済み。全15巻です。
この漫画の主人公は、表紙のゆるふわな女の子、改世楽子(かいせらくこ)ちゃん。あだなはらっこちゃん。すでにかわいくて心が掴まれます。
貧乏出身(この表現もどうかと思うけども)、弁護士を目指したのもただ一言『稼げるから!』
そんならっこちゃんが一人前の弁護士になるため、日々奮闘する物語です。
あらすじ
弁護士は儲かる! そんな思い込みで、成績ギリギリで弁護士になった改世楽子(かいせらくこ)。しかしその年、司法試験には大量の合格者が…。就職にあぶれた楽子(らっこ)はどうにか零細事務所に押しかけ就職!そこにはいやみで出来る先輩弁護士・東海林がいて!? 新米弁護士・楽子の奮闘記!!
出典:Amazon
すごいあらすじですよね。というか、弁護士にも就職難だなんてものがあるんだなぁ。
『そこをなんとか』の面白さとは
『そこをなんとか』という作品には、推すべきポイントは本当にたくさんあります。
リアルな弁護士の世界、さっぱりとした大人の人間関係、ほっとするようなキレイでシンプルな絵柄……まだまだたくさんあるのですが。
今回はその中でも、以下の2つのポイントに絞ってお話しますね。
魅力あふれるキャラクターたち。絶対に推しがみつかります。
『そこをなんとか』の魅力。
まずはなんといっても、全員が応援したくなるような、素敵なキャラクターたちです!!
というわけで、ここでは私の推しキャラ2人のことをおすすめしていきます。
主人公らっこちゃんは、誰もが応援したくなるキャラクター!
さてそんな掴みはバッチリ!な主人公らっこちゃん。
とても魅力的なキャラクターなのですが、何よりもまっすぐですっっごく可愛いらしいんです!
自分のいる環境に対して不平不満を言うよりも、自分がそこを変えていこう!と言える子。貧乏であったことも悲観せず卑屈にならず、あっけらかんとして明るい子。
もうね!本当にかわいいんですよ!好き!
そんならっこちゃんは、あらすじにある通り従業員総勢3名の零細事務所へ就職します。
そこにいた先輩弁護士(兄弁(アニベン)というそうですよ)にスパルタ指導を受けつつ、らっこちゃんはぐいぐい成長していきます。
らっこちゃんのアニベン、メガネスーツ男子・東海林 弘明
そのアニベンこと東海林(しょうじ)先生。
お好きな方はたまらないでしょう、メガネスーツ男子です。(ちなみに黒髪七三分け)
最初はらっこちゃんのことをまったく認めていなかった東海林先生なんですが、お互いの仕事ぶりを見ていくにつれ、ふたりの距離もどんどん……
そんなわりと王道な感じで話は進んでいくんですが!
この東海林先生、引き抜きにより事務所を退職することになります。
らっこちゃんが酔っ払うのなんて
初めて見ましたよ
出典:『そこをなんとか』5巻より
これは事務所ボス弁・菅原先生のセリフ。
東海林先生の送別会で、今までになく酔っぱらうほどに動揺するらっこちゃん。(らっこちゃんは超ザルです)
そうして、らっこちゃんと東海林先生は別々の事務所所属となってしまいます。
お互いになんとなくいーい雰囲気を漂わせることもあるんですが、残念ながらどちらも特に自覚がない状態なんですよね……
なんなら、らっこちゃんにも東海林先生にも、別に思いを寄せるキャラクターまでいる始末です。さらにはらっこちゃんは別のキャラクターとお付き合いまではじめてしまいます。笑
東海林先生が引き抜きされらっこちゃんの事務所からいなくなっちゃうエピソードは、こちらの5巻に収録されています。
他にもらっこちゃんの修習生時代の同期である赤星くん、らっこちゃんが押し掛けた事務所のボス、菅原先生など、魅力的なキャラクターにあふれているのが『そこをなんとか』。
絶対に推しが見つかります、と断言します。
弁護士漫画の醍醐味。1つ1つの案件がバラエティ豊かで飽きさせない!
ここまでは普通の恋愛漫画にもありがちなことでした。
でもこの漫画が他とは違うところは、らっこちゃんが取り扱う案件がきちんと丁寧に描かれているとことです。また案件がとても多彩で、読んでいて飽きないんです。
冤罪、遺産分割、ひき逃げ、結婚詐欺、自己破産……その他いろいろ。非常にバラエティー豊かですよ。らっこちゃん手広い。
それに加え、作者の麻生みこと先生は定期的に裁判の傍聴に行かれています。その模様も本編の合間に面白おかしく書いてくださっているんですが、こちらもかなり楽しいんです!
本編よりもイロモノな案件を書かれていたりするので、面白要素はこちらの方が強いかも。
『そこをなんとか』は王道の弁護士漫画ではないけれど、ゆるふわなだけじゃない、芯の通った弁護士漫画!
主人公のらっこちゃんがそうなように、この漫画、一見するとゆるふわですがそれだけじゃありません。
しっかりと芯が通った登場人物、そしてお話ばかりです。その中でキャラクターそれぞれの心情の機微がきちんと見えるのがよいんです。
『そこをなんとか』のコミックスは全15巻にて完結となります。
一般人にとってはベールに包まれている弁護士というお仕事。『そこをなんとか』は、その一端が垣間見える、素晴らしいお仕事漫画です。
ぜひ読んでみてくださいな。
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