- もうなんか疲れてしまったな……
- 今ならちょっとしたことで泣いてしまいそう
- なんでもいいから癒しがほしい!!
そう感じている、心が疲れてしまっているあなたへ。
今日はそんなあなたにぜひ読んでほしいコミックエッセイ、『泣きたい夜の甘味処』を紹介させてください。
漫画なのであまり気負わずにサクッと読めて、読み終わったあとにはちょっと心があったかくなっている。
そんな素敵な作品です。
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『泣きたい夜の甘味処』とは
『泣きたい夜の甘味処』は、現役看護師兼イラストレーターである中山 有香里さんがインスタグラムで連載されていた漫画です。
これまでは看護に関する著書は発行されていましたが、創作漫画の書籍化は今回が初めてとのこと。
お仕事しながらの執筆活動だなんて、尊敬しかないです。しかも看護師という人の命と隣合わせの仕事と並行して、ですよ。え、すご……
あらすじ
とある町に、ひっそりとたたずむ一軒の甘味処。熊と鮭が営むこのお店は、夜だけしか営業していません。
提供するのは温かいお茶と、甘いもの一品だけ。
今夜も、疲れて泣きたい人々がこの店に迷い込みます。
出典:Amazonより
鮭と熊……?と不思議に思ったあなた、正解です。笑
でも大丈夫、この作品に出てくる登場人物たちも、みんな同じ疑問を持っています。ただし、特にその謎が解き明かされることはありません。そのままの世界観を感じてください。
(それのどのへんが『大丈夫』といえるのか)
現役看護師ならでは、人の生と終わりの描かれ方
著者である中山さんは、現役の看護師さん。
実際に彼女のインスタグラムでは日々お疲れな様子が伝わってくるイラスト投稿(本当におつかれさまです……!)がされているのですが、そんな中山さんならではの人生の形、終え方についての考えや思いが、『泣きたい夜の甘味処』からは垣間見える気がするんですよね。
オムニバス形式となっている本著、主人公たちは、いわゆる不治の病を抱えている人物が比較的多く登場します。
自身がその病にかかったとき、どういう行動をとるのか。
逆に、自分の大切な人がそうなってしまったときの感情は、どんなものなのか。
登場人物たちにふりかかる現実はどこまでも残酷で。
それでも、どこまでもやさしく寄り添うような作風は、きっと中山さん自身がそういった看護をされているのだろうな。
そういう風に思わせるものが『泣きたい夜の甘味処』にはあります。
何かに疲れてしまって泣きたいあなたにこそ、ぜひ読んでほしい。
そんな作品です。
あの時のあの人はどう思っていたのだろう、に答えをくれる
このエッセイのポイントは、まず主人公といえる人物が各話に1人います。
主人公の思い、苦しみ、疲れた心をていねいに描写したあと。それらを癒すあたたかいお茶と甘いものでほっと心を落ち着けます。
そうしてあたたかな甘味処を出たときには、ちょっと前向きな気持ちになっている。
『泣きたい夜の甘味処』は、そんな1話完結のショートストーリーがいくつも収録されています。
この本では、それらの完結した各話に対して、それぞれ『アナザーストーリー』が1話ずつ収録されています。
アナザーストーリーでは、本編の主人公の周囲の誰かが主人公となり、その人目線で本編と同じ時間軸を進んでいきます。
本編では主人公の気持ちだけしかわからなかったことが、アナザーストーリーでは、『実はあのとき、あの人はこんなふうに思っていたんだよ』という優しい答え合わせができるようになっているんです。
あのときのあの人の言葉には、こんな真意があったんだ。
あのときのあの子のふるまいには、こんな気持ちが隠されていたんだね。
そんなふうに、本編だけでは知りえなかったことがわかるような仕掛けがあります。
さらにその内容は、とってもとっても優しくて、あたたかなものばかり。
本編で泣いて、アナザーストーリーでさらに泣いて……どんどん、ページをめくる手が止まらなくなります。
やさしくて泣けるお話を求めているあなたに強くおすすめします
簡単ではありましたが、『泣きたい夜の甘味処』という作品の素敵なところを語ってみました。
私、本当にこの作品が大好きで、インスタグラムで連載されていたころからずっと読んでいて、書籍化されると聞いてとっても嬉しかったんです。
あぁ、この作品がもっとたくさんの人の目に触れる機会ができる。もっともっとたくさんの人の心に、寄り添ってくれる。
書籍化が決まったとき、そう思ったのを覚えています。
本当に素敵でやさしい、泣ける作品なので、ぜひともたくさんの人に読んでほしい。
ほっこりして泣ける漫画を求めている人に100%の自信をもってオススメする書籍です!
同じ中山 有香里さんのコミックエッセイだと、こちらもとても素敵なんですよ。
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